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中央区青少年対策日本橋五の部地区委員会 事務局長 鳴海 和司さん、副事務局長 関根 佳代子さん、広報 髙木 亮さん

―日本橋浜町。かつては広大な武家屋敷が広がっていた、古くから続く江戸のまち。歴史と伝統を受け継ぎながら変わりゆくまちの息遣いと魅力を、このまちで働き、暮らしを営む人々の言葉を通して紐解いていきます。

今回ご紹介するのは、日本橋五の部地区委員会の皆さん。地域の行事の企画・運営を行いながらまちと人とをつなぎ、日々子どもたちの安全を見守っています。神奈川県出身の鳴海さん、鹿児島県出身の髙木さん、そして生まれも育ちも浜町という関根さん。それぞれが抱くまちへの思い、地域の子どもたちと関わる中で感じることについてお話いただきました。

 

地区委員の役割は、子どもたちの身近な存在であること

―鳴海さんは事務局長を務められて6年、関根さんも髙木さんも地区委員として長く活動されてらっしゃいますね。

鳴海さん(以下、敬称略):地区委員は2年ごとの委嘱ですが、長く継続している人が多いんです。僕は楽しいことが好きだから続けていますが、一番はやはり子どもたちの笑顔が見られること。これが本当に嬉しいんですよ。

髙木さん(以下、敬称略):わが子はもちろん、地域の子どもたちみんなに楽しんでほしいという気持ちで活動を続けてきました。やらざるを得ないという部分は否定できませんが(笑)。

関根さん(以下、敬称略):母も祖父も地区委員を務めた経験があり、私は三代目(笑)。まちのイベントがあればお手伝いをするというのが、当たり前の環境で育ってきましたからね。

―そもそも地区委員会とは、どのような団体なのでしょうか?

鳴海:昭和32年、中央区の「青少年問題協議会」の下部組織として発足したのが地区委員会です。「地域における青少年の健全育成」を目的とする団体ですが、発足当初はあまり活動していなかったらしいんです。活動が活発化したのは、昭和36年。青少年問題協議会から独立した自主団体となってからです。

中央区には連合町会単位で19の地区委員会が設置されていて、その一つが「日本橋五の部地区委員会」。所属する10町会からそれぞれ2~3名を選出し、今は41名のメンバーで活動しています。

青少年の健全育成というと何だか難しいイメージがありますが、要は「子どもたちを見守りながら一緒にイベントを楽しむ」。これが、地区委員会の活動のスタンスです。

―地区委員会の活動内容を教えてください。

鳴海:「親子防災フェスティバル」「浜町児童館まつり」「中央区子どもフェスティバル」など、区や地域事業に協力する形での活動があります。

関根:つい先日、2月11日には親子防災フェスティバルがありました。東京大空襲被災者慰霊の「浜町平和の集い」を皮切りに消火体験や放水消火実演、子ども向けのゲームコーナーなどを企画しました。マンネリ化しないように試行錯誤しながら毎年企画を考案していて、今年は子ども向けのゴーカート用に消防車と救急車の乗り物を増やしたんです。

   

髙木:親子防災フェスティバルでの取り組みが、消防庁の「地域の防火防災功労賞」で優秀賞を受賞したこともありましたね。五の部地区委員会の活動はとても活発なんです。

鳴海:五の部地区委員会主催の行事も豊富ですからね。子どもたちの野外活動としての「バスハイク」、タグラグビーやキックベースボール大会などの「ニュースポーツ」を主催しています。また、五の部連合町会主催の地域の親睦を図る「ゴノちゃん運動会」も実行委員といてして活動しています。

 

―五の部地区委員会のゆるキャラ「ゴノちゃん」の活躍にも注目が集まっていますね!

鳴海:髙木さんがゴノちゃん、関根さんがゴノミちゃんに扮して五の部の活動の宣伝に一役買っているんですよ。親しみやすいキャラクターを作ることで子どもたちに私たちの存在を覚えてもらい、頼れる存在になる。これが、われわれ地区委員の最大の使命ですから。

髙木:一つの事例として地区委員会のメンバーが言っていたのは、「たとえば、共働き世帯の子どもが鍵を忘れて家に入れない。家に入れなくて、トイレに行けない。そんなときでも、近所に顔見知りの大人がいれば「トイレ貸して」と頼ることができる。」と。こういう緩やかなつながりの輪が、どんどん広がっていくといいなと思っています。

 

子どもたちには、“ふるさと”としてまちを愛してほしい

―中高生で編制される、地区委員会の下部組織もあると聞きました。

関根:「日本橋ジュニアクラブ」(以下、NJC)ですね。「思春期の難しい年頃の青少年を地域で受け止めるべき」という理念で発足した会で、地区委員会の行事も手伝ってもらっているんですよ。NJCの存在によって、子どもの頃からまちや人とつながるのが当たり前になればというのも私たちの願うところです。

髙木:僕は、子どもがイベントを企画する側にいてもいいと思うんですよね。NJCなら、それが可能なんじゃないかな。大人が全てスケジューリングしたり、先回りしたりしているだけでは、子どもの“考える力”を養うことができませんから。NJCは、今後もっと強化していきたいですね。

―地域や人とのつながりを次世代に受け継いでいくのも、地区委員の役目なんですね。

鳴海:子どもたちには、さまざまな体験をして価値観や社会性を学んでほしい。新しい住民の皆さんには、このまちを好きになってほしい。その思いを伝えるために、まずは我々自身が活動を楽しむことも大切にしています。

髙木:このまちを、「自分のふるさと」だと感じてほしいんですよね。人と人とのつながりがふるさとになり、そのつながりが地域の課題を解決することにもなると思いますから。

 

―皆さんの日本橋浜町への愛が伝わってきます!地区委員会として、今後はどのような活動をしていきたいですか?

関根:子どもたちが思う存分走り回れる場を提供したい!昔はこの辺も遊ぶ場所がたくさんありましたが、今はとにかく遊ぶ場所が少ないですから。そんな思いも込めて、一生懸命イベントや行事を企画しています。

髙木:遊ぶ場所という視点で話すと、僕は道路を使ったイベントを子どもたちと一緒に企画したいんですよね。中央区は、東京23区で土地に対する道路率が一番高いんです。これを有効活用する手はないでしょう!

鳴海:地区委員会の活動が始まって、60有余年。まちも暮らす人も、当時とは変わった部分がありますから、地区委員会も時代に合わせた変革が必要かもしれません。それでも、浜町には下町ならではの温かさが残っている。子どもたちと一緒に楽しみながら、まちの良さを発信し続けていきたいですね。

集合写真:親子防災フェスティバル[撮影:2024.2.11]

 

中央区青少年対策日本橋五の部地区委員会

公式Facebook:https://www.facebook.com/nichi5chikuiin/

[取材日:2024.1.28]

写真:北浦汐見 文:濱岡操緒

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