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ロイヤルパークホテル 取締役社長 荒畑和彦さん

―日本橋浜町。かつては、広大な武家屋敷が広がっていた古くから続く江戸の街。歴史と伝統を受け継ぎながら、変わりゆく街の息遣いを、そこで働き暮らしを営む人々の言葉を通して魅力を紐解きながらお届けします。今回は、2019年6月に開業30周年を迎える、ロイヤルパークホテル取締役社長、荒畑和彦さんに30周年に向ける想いや、今後の活動についてお話を伺いました。

グローバルに評価され、ローカルに愛されるホテルづくり

―まずは御社の企業理念をお聞かせください

ミッションとして掲げているのは「Best For The Guest」です。「全てはお客様のために」という日本語になりますが、我々自身もこのホテルがどういうホテルなのか、自ら認識した上で、業務に役立てていくことを意識しています。
一方で、お客様にもロイヤルパークホテルがどういうホテルなのかを理解していただきたいと思っております。
当ホテルの事をどうしたら分かりやすくお客様に理解していただけるか、1年半前にスタッフで議論を重ね、意見を集約し、「CHIC TOKYO STAY -粋な街の、意気なおもてなし-」という商品ブランドメッセージが完成しました。「CHIC」は英語で、「粋で気の利いた」という意味で、洗練されたおもてなしという意味を込めて今年の春から積極的にこのメッセージを使っています。
東京の特にこの日本橋エリアは歴史と伝統が多く残されていますが、一方で新しいものも次々に入ってきていて、革新と伝統、新しさと懐かしさが交差している街だと言えます。
その息づかいとぬくもりが寄りそう街で、心からのおもてなしをご提供したいと考えていて、二ヶ月に一度発行しているイベントガイドのタイトルを「CHIC TOKYO STAY」に変更しました。この「CHIC TOKYO STAY」を多くの方々に覚えていただき、そしてこの商品ブランドメッセージが、ホテルを象徴する役割となって、我々のホテルの想いを沢山の方に理解していただけたら嬉しいですね。
もうひとつの企業理念が、「グローカルなホテルになること」です。グローカルとはグローバルとローカルの造語で、我々はこのグローカルを「グローバルに評価され、ローカルに愛される」と捉え、そういうホテルを目指そうと心がけています。

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―来年には開業30周年を迎えられるとお聞きしました

当ホテルは1989年6月1日にグランドホテルとしてオープンし、おかげさまで来年6月1日に満30周年を迎えます。現在その日のために色々と企画を考案している段階です。
オープン当時の都内はまだ、グランドホテルというのは今ほど多くありませんでした。そもそもグランドホテルとは、宿泊施設としてはもちろん、レストランや結婚披露宴や法人のパーティーが開催できるような大きな宴会場があるホテルのことを言います。我々が開業した当時、グランドホテルといえば、ホテル界の御三家と言われている「帝国ホテル」「ニューオータニ」「ホテルオークラ」と、「京王プラザ」、「ハイアットリージェンシー」、「パレスホテル」でした。
そういった背景のなかで、このエリアで唯一のグランドホテルが、ロイヤルパークホテルだった訳です。競合はなく良いポジショニングで楔を打つかたちで出来ました。
それから外資系ホテルが多く建つようになり、今もなお増え続けています。環境や時代が変化する中で、当ホテルの知名度が低下しているのではないかという話になり、30周年という節目を迎えるにあたり、「もう一度このホテルを良いポジションにしよう、少しでも多くの方々に知ってもらおう」と、スタッフ一同、団結して頑張っているのが現状です。先ほどご紹介した「CHIC TOKYO STAY」に加えて30周年記念のキャッチコピー「あなたと街と30年、この街でこれからも一緒に」を作成し、ホームページを始め様々な場所で使用しています。
その他にも、よく企業や地域の宣伝の一貫で芸能人や有名人をアンバサダーに起用することがありますが、弊社では2019年に30歳になるスタッフに協力してもらい、30周年アンバサダーを結成しました。以前から参加している地域のイベントはもちろん、それ以外のイベントにも積極的に参加させていただいており、夏には「名橋『日本橋』橋洗い」にも参加させていただきました。
また、来年始動する企画で、詳細はまだお伝え出来ませんが、「毎月30日に何かが起こる」や、ロイヤルパークホテルにまつわる想い出を募集するイベント等、お客様に喜んでいただける企画を沢山ご用意して、その準備に勤しんでおります!

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―様々な企業とコラボレーションも話題になっていますよね

企業とのコラボレーション企画は、これまでも幾つかさせていただいております。今夏には開業30年記念プロモーション第一弾として、2019年に誕生100周年を迎える「カルピス」さんとコラボレーションして、「カルピス」を使ったスペシャルメニューを販売しました。また、今年200周年を迎えた日本橋の老舗和菓子店「榮太樓總本鋪」さんとコラボレーションさせていただいて、オリジナルメニューの「あんみつパフェ」を考案しました。「榮太樓總本鋪」伝統の黒みつ、寒天、餡と当ホテルのパンナコッタ、黒蜜を泡状に仕上げたエスプーマを組み合わせた和と洋のマリアージュが楽しめます。周年が弊社と重なっているという、こちらの勝手な都合で錚々たる企業とコラボレーションさせていただいて本当に恐縮です。(笑)
30周年に関わらず、地元とのタイアップは今後もやっていきたいと思っています。

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―宿泊されたお客様に日本橋界隈を楽しんでもらうイベントを実施されていると伺いました

当ホテルは、「handy」という無料のスマートフォンを全客室に設置しており、その「handy」を持って街へ出かけてもらおう、という試みです。
宿泊していただいたお客様にもっと街を知ってもらい、街の良いところを見てもらいたいという想いから始まりました。人形町の飲食店や雑貨店、日本橋の老舗や百貨店などにご協力をしていただき、「handy」を持って対象店舗に行くと、プレゼントを貰えたり、割引があったりというサービスを受けることが出来ます。

ローカルを愛し、この街と一緒に成長していきたい

―蛎殻町を拠点とする長所や利点をお聞かせください

なんと言っても利便性が高い。これはお客様にとって、とても大事なことの一つですね。地下鉄に高速道路、交通の結節点に当たるこのエリアはどこへ行くにも好アクセスで、この立地は弊社の強みであると思います。さらに「T-CAT」(東京シティエアターミナル)も隣接していますので、海外から、特にアメリカや中国からのお客様の比率が高いのですが、最近ではトルコやフランスといった中東やヨーロッパからいらっしゃる方も増えています。
また、この辺りには様々な企業があり、東京証券取引所もあります。お寺や神社も多いエリアで、中でも水天宮が近くにあるのも、大きな強みです。
中央区は人口の流入が増え、バブル崩壊の時期は7万人まで減少しましたが、今では15万人にまで回復したそうです。すごいことですよね。
マンションや新しいお店もどんどん増えていますが、古いお店も数多く残っています。そうなると観光的に面白そうな街だなと皆さん気付き始めますよね。隅田川沿いにゆっくり寛げるテラスがあったり、清洲橋も吊り橋のデザインがとても格好いいですよね。そういったこの街の魅力が広く知られるようになり、だんだん良いエリアになってきているなと実感します。
「グローバルに評価され、ローカルに愛される」ホテルを目指しておりますが、我々もローカルを愛して、一緒に成長していきたいと思っています。

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―最後に、これからのこのエリアに期待することはありますか

まだまだこのエリアはポテンシャルを秘めていますから、我々が一緒になって活性化に努めていきたいと思っていますし、浜町もホテルやサービスアパートメントといった新しいプロジェクトが来年から始まりますから、一緒にこの街をもっともっと盛り上げていくために、協力していければと思います。

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[取材日:2018.11.8]
写真:髙木亮  文:小野彩

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