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日本橋五の部地区委員会広報/中洲町会青年部部長 髙木亮さん

―日本橋浜町。かつては、広大な武家屋敷が広がっていた古くから続く江戸の街。歴史と伝統を受け継ぎながら、変わりゆく街の息遣いを、そこで働き暮らしを営む人々の言葉を通して魅力を紐解きながらお届けします。今回は日本橋五の部地区委員会広報、中洲町会青年部 部長兼、広報部の髙木亮さんに地区委員会や町会の主な活動や今後の目標についてお話を伺いました。

地域の繋がりをつくる活動

―髙木さんは様々な形で街に関わる活動をされていると伺っているのですが、具体的にはどのような活動をされているのでしょうか。

大きく2つあります。一つは日本橋五の部地区委員会としての活動。これは、主に青少年の健全育成のための活動です。具体的には、子どもが楽しみながら学べる防災訓練や、運動会、中央区主催の盆踊り大会の手伝いなどですね。運動会なんかは、毎年約1000人も集まる大運動会です。ものすごく盛り上がりますよ!もう一つは中洲町会としての活動です。町会として昔から続いている行事に加えて、最近は青年部主催のお祭りなども実施しています。

―日本橋五の部地区委員というのは、どのような集まりなのですか?

日本橋五の部連合町会は10町会から成り立っていまして、各町会から2~3名選出されたメンバーで構成されています。10町会というのは、東日本橋一丁目村松町会、久松町町会、浜町一丁目町会、浜町二丁目金座町会、浜町二丁目親合町会、浜町二丁目西部町会、日本橋浜二町会、浜町三丁目東部町会、
浜町三丁目西部町会、中洲町会です。僕は中洲町会の代表として参加しています。地区委員会には、町会が違っても、街を盛り上げたいという同じ想いを持っている人達が集まっています。活動を通して他町会との横のつながりが強くなっていくのは、街にとって良いことだなと思いますね。

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―地域の繋がりが強いって素敵ですね。髙木さんは元々中洲出身なのですか?

僕は、長年町会の活動をさせてもらっているので、よく中洲出身だと勘違いされるのですが、実は生まれは鹿児島なんですよ。
父親が単身赴任で人形町で事業をしていたので、ある時僕も父と共に人形町に近い中洲に拠点を移すことになりまして。
それから、町会の方が事務所を訪れてくれるようになり、いつの間にか引き込まれていたという感じです。良いのか悪いのか…(笑)。
僕が町会に入ったのは31歳ぐらいの時なんですけど、当時町会には同世代はほとんどいなくて、歳が一番近い方で50代でしたね。そうすると、僕は年少になるので力仕事を任されるんですが、終わった後にお疲れさまって言い合う仲間がいなくて、ちょっと寂しいなと感じることが多くて。そこで仲間を増やすためにはどうしたらよいかを考えた時に、地域の方は町会のことをどう見ているんだろうと思ったんです。中洲には古くから住んでいる方もいれば、当時新築のマンションも増え始めて新しい住民の方も多かったので、そういった方々に町会のイメージを聞いてみたら、“何をしているか分からない”とか、“興味があって町会に入りたくても誰に言えばいいかわからない”という声が聞こえてきました。そこで古くからいらっしゃる方と新しい方の間に大きな垣根があるなと感じ、今必要なのはこれを無くすことだと思い、まずは町会の活動を知ってもらう為に広報部を設立したんです。

―当時広報部はなかったんですね。

最初、広報部を作りたいと言ったら、10年やれるんだったらやってもいいと町会長に言われたんです。
それで、じゃあ辞めますとは言えないじゃないですか(笑)。
そこから、町会のホームページを作成したり、地域の方を交えた飲み会を開催したり、ポスティングをしたりして、まずは町会のことを知ってもらうことと、気軽に町会のイベントに参加して楽しんでもらうというところに重点を置いて活動しました。こういった活動を続けて10年弱経ったときに、段々と若い方が集まるようになってきましてね。「そろそろ青年部つくるか」と町会長に言っていただけたときは、やっとここまで来たと思いましたね。続けていてよかったなぁと感じました。そうして2年前に青年部が復活しました。

―約10年もの間、色々な苦労があったかと…

苦労と思ったらやっていないですね(笑)。基本的に人が好きなんですよ。
例えば、週に何回か浜町公園のプールに行っていた時、そこで会うのは大体いつも同じ人達なんです。当然、何回か会えば顔見知りになりますよね。それなのに何も挨拶をしないのは、つまらないじゃないですか。ですから、自分から積極的に挨拶をするようにしてみたんです。そしたら返してくれて。当たり前のことかもしれないけど、嬉しかったですね。
もっと嬉しかったのは、そのうち僕を介さないで他の人同士が挨拶するようになっていたことです。それを見て、何かが変わったなと、そう感じました。そのうち、そのプールのコミュニティで飲み会やお花見をする仲になっていました。
こういった人の繋がりを、もっと作っていきたいんです。人の繋がりって、何の価値があるのかって言われると、言葉では表現できないけれど、無いのと有るのとどっちが良いかとなると、やっぱり有る方が良いなと思いますよね。もちろん大変なこともありますけど、それは苦労ではなく本当に人が好きでやってるんです。僕の趣味なのかもしれないですね(笑)。

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子ども達にとって、この街をいいふるさとにしていきたい

―中洲町会としては、具体的にどのような活動をされているのでしょうか。

現在青年部では子育て世代の方が多いこともあり、「子ども達にとっていいふるさとにしよう」をテーマに活動しています。
この地域は中央区、日本橋。都会じゃないですか。だけど子ども達にとってみれば、ここが「ふるさと」になるんですよね。
いいふるさとって何かなって考えたときに、人と人との繋がりがある街がいいふるさとではないかと思うんです。
誰かに会ったら挨拶を交わしたり、一緒に語らったり、街で悪さしている子どもがいたら怒ったり…。
物理的に自分の家があるところがふるさとというならば、それはそれでよいかもしれないけど、何が心に残るのかって考えた時に、人との関わりが一番心に残ることじゃないかと思うんです。子ども達が大きくなったら、いずれは街を出るかもしれないけど、ここで暮らしてよかったなと思えるような街にしたいんです。
最近は、青年部員の子どもが町会のイベントの手伝いをしてくれることも増えてきて、自分たちで町会の「少年部」を作りたい、と言ってくれている子達もいるんです。
印象にのこっていることが一つあって、今年の3月に町会主催の餅つきを行ったときも、お客さんの誘導を手伝ってもらっていたんですが、その時たまたま通りかかった人に「ねぇ、おじさん!お餅ついて行かない?」って声をかけたんです。誰からも、呼び込みをするように頼まれていないのに、子ども達なりに自分で考えて、餅つきを盛り上げるために自主的に動いてくれたんですよね。この時、この子達にとって、既に良い「ふるさと」になっているのかもしれないな、と本当に嬉しく思いましたね。

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人が繋がる場所をもっと作っていきたい

―今後はどのようなことをしていきたいですか?

中洲町会青年部としては、ぜひ想いを共感できる人に来ていただきたいと思っています!というのは、ただ一緒に力仕事をしてほしいわけではなくて、やっぱり想いが共感できないと、楽しめないですから。イベントをつくるには、まず自分が楽しんで取り組まないと良いものができないと思うんです。
イベントへの関わり方には三つの段階があると思っています。一つ目は、参加者として。二つ目は、当日の運営スタッフとして。三つ目は、事前準備から事後片付けまで全体に参加することです。
まずは参加者として楽しんでもらうことが第一です。これがなければ始まらないし、初めから仕事仕事じゃ、参加しようなんて思いませんよね。まず参加してもらって、そこで興味を持っていただいた方には当日の運営を、更にやる気のある方には、次回は準備の段階から一緒にやりましょう、という流れに持っていきます。ここで重要なのは、家庭や仕事の状況によって関わり方を変えることもできるということです。子供が生まれたり、色々な事情で今回は参加だけで楽しませてもらいます、とか。そこは柔軟に対応できる体制をとり、家庭・仕事を第一に優先してもらっています。ポイントは、関係をキープし続けるということだと思います。やはり関係が切れて気まずくなっては、ご近所さんなので都合が悪いですから。
ただ、この組織をどう維持していくかも今の自分の課題ですね。会社は、給料をもらっているので好きだろうが嫌いだろうが、やる必要があります。でも、町会のようなボランティア組織において何が人を動かすのか?嫌であればやる必要がないですよね。そこは、いかに「やりがい」を感じて活動できるか、それが重要だと思います。イベントなどで100%は求めず、常に改善する余地を残し、関わり続け改善し続ける組織が良いのでは、と考えています。自分が関わることで変化が感じられて期待感が持てるというところに充実感を感じるのではないかと思います。自分の活動の中心は、人と人をつなぐこと。イベントや地元のカフェなどいろんなところで声をかけ、関わる人を増やしています。縁って色々あって、会社は社縁、家族や親戚関係は血縁、そして地域の地縁。この地域では、ゆる~い縁で人が繋がっていられるのが理想です。みんなにとって、第三の場所に出来たらいいなって思っています。
この辺りは、今や新しく住み始めた方々が多いと思うので、そういった方々が繋がっていく場所もつくっていきたいですね。それは、町会という組織だけに限らず、さっきお話したプール仲間のようなコミュニティもですね。住んでいる方々がイキイキとして、この街に住んでよかったなと思ってもらえる街にしていきたいです。

―最後に一言お願いします!

今、こうして出来た沢山の人との繋がりは自分の財産だと思っています。
常々思っているのは、いつも感謝の気持ちを大事にするということ。地区委員会や中洲町会など、様々な活動でお世話になっている組織がありますが、その中で自分が存在できて、活かされている環境にとても感謝しています。そしてもちろん、この活動を支えてくれている妻と娘にも。
町会の活動は昔から続いているものが多いですが、個人的には新しいことにもチャレンジしていきたい。昔ながらの良いもの、守るべきものは守りながら、変えるべきところは変える。誰もが色々な事を始められて、余裕をもって変化を受け入れられるような街を作っていきたいと思います。
一緒にこの地域を楽しみたい方、ご連絡お待ちしております!

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髙木亮さんご連絡先:r_takagi@nakasu.cho-kai.com 080-3471-0210
[取材日:2018.7.26]
写真:丸山智衣 文:小野彩

 

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